シリーズ:森と暮らす集落のランドスケープ(1)
「そうば崩し」という言葉に出会った。
相場とは現代の経済用語とばかり勝手に思い込んでいたが、飛騨地方では町並みの中で周囲と不調和な状況が発生することをいい、住民によって共有し続けている不文律となっている。
こうした文化によって飛騨古川、飛騨高山に代表される美しい町並み景観が、現役の生活空間として保たれている。
ところが町場の話だけでは、この地域の暮らしに根差した文化の本質は語れないようである。
森に手を入れ、森の恵みを受けて暮らしてきた地域環境の価値をいかにして保ち向上させるのか。森と暮らす飛騨地方の永遠のテーマに立ち向かう矜持が、町場~里山~奥山まで広域に及ぶ地域の随所から感じられた。
暮らしの中の美意識
出荷され積まれたばかりの薪。冬支度のさなか、数日で搬出されるのに違いない。
美しく積んで商品価値も高まる・・とはいえ、この上なく美しい。
暮らしの中の美は、無作為の作意によるものか。見飽きない。